第39話「美しき雪は永遠に」

 第39話は、クイーンコスモス号が、冷たいスノー星に降り立ちますが、そこには、ジョーゴの死んだ妹フローリアにそっくりの、フロメダがいました。

 この回は、小中学生の時に見た時と、20代と今(30代)に見た時では、印象がもっとも違う回です。小中学生の頃に見ていた時には、凍らされたジョーゴがショルダーニードルを発射したな、という印象があるぐらいです。小学生の時には、カセットテープに録音していましたが、それほどたくさん聞いた回ではなかったと思います。

 でも、20代に見たときには、強烈な印象がある回でした。

 いつも冷静なジョーゴが、死んだ妹にそっくりなフロメダを見て、取り乱してしまいます。ギャラクシーエネルギーをねらうフロメダからの、「オーロラ姫もここに来ていただいたら。」という申し出を、すんなりと聞いてしまいます。

 ジョーゴがオーロラ姫に連絡しようとした時に、一瞬、「見知らぬ人の言葉をこう易々と信じるなんて。」と思いますが、「やさしい妹にそっくりなあの人が、よこしまな心を持っているはずがない。」と思いなおして、オーロラ姫に連絡します。

 死んだ妹にそっくりな人だから、いい人に違いないと思いたいジョーゴの気持ちが、私はものすごくよく分かるのです。

 でも、フロメダは、オーロラ姫のギャラクシーエネルギーをねらっていることが、ジョーゴも分かり、オーロラ姫がそこに来るのを防がなければいけない、と思った時に、フロメダは、ジョーゴを凍らせてしまいます。

 でも、完全には凍らせませんでした。理由は、「ほんの少しの間だけど、あなたは、私を妹と思って愛してくれたから。」この言葉にも、オーロラ姫をねらっている雪の精とはいえ、じんとくるものがありました。

 そして、オーロラ姫がやってきて、ジョーゴはショルダーニードルを発射して、雪の精フロメダから、杖を奪います。

 ここからジョーゴが、フロメダに言った言葉には、私はもう涙涙です。「君は、愛されることばかりを考えて、愛することを考えていなかった。君の冷たさの原因は、そこにあるんだ。でも、君は人を愛することができる。なぜなら、俺を殺さなかった。君は、本当は、心のやさしい、けがれのない雪の精なんだ。」

 「君は本当はやさしい人なんだ。」という部分が、最高に好きです。この言葉にフロメダは、改心して、ジョーゴたちを助けるために、命を落とします。

 そして、この回の締めの部分は、またジョーゴのセリフです。「フロメダ、やはり君は妹だったのだ。我々を守るために、雪の精に姿を変えて、あらわれてくれたに違いない。フローリア。」ここも、また泣けてしまいました。「雪の精に姿を変えて」と思いたいジョーゴの気持ちも、すごく伝わってきました。

 死んだ妹にそっくりな人が目の前にあらわれたら、「一体何を意味するのだろう。」ということを、考えると思います。ですから、このジョーゴの気持ちが本当によく分かります。

 20代の時に、スタージンガーを見たときには、第38話、第39話と見て、脚本の素晴らしさを心から感じて、私が小学生の時に、「スタージンガーは、最高だ。」と思った感覚に間違いはなかったと、改めてスタージンガーを好きになりました。 

(第39話のタイトルコール 杉山佳寿子) 

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